違う形状の曲線の生地を縫い合わせる時、どちらかが余ったり足りなくなったり
感じる事があります。これは、縫い代の端の長さが違ってくる為に起こる錯覚です。
左図のように、外向きの曲線は、縫い代の端の長さは、より長くなり、
右図のように、内向きの曲線は、縫い代の端の長さは、より短くなります。
しかし、縫い合わせ部分(青い線)は等しい長さに作ってあるので、
その錯覚を乗り越え、均等に待ち針で留めるようにしましょう。
例1:キャスケットやベレーのクラウンとグログランリボン
クラウンは内向きのカーブ、グログランリボンは直線なので、
クラウン側が足りなくなるような錯覚を起こします。
クラウンは広げて並べると、波を打ったような形状なので、
クラウン同士の縫目部分と、それぞれのクラウンの中央部分も
待ち針で留めるようにしましょう。
例2:キャプリンや中折れ帽のクラウンとブリム
クラウンは直線に近い形状、ブリムは内向きのカーブなので、
ブリム側が足りなくなるような錯覚を起こします。
まず前と後を待ち針で留めますが、左右のクラウンの余り具合が
同じくらいになるようにしておきます。
次に同様にして、左右の中央部分を待ち針で留めます。
更にそれぞれの中央部分を同様に待ち針で留めます。
例3:縦はぎのサイドクラウンとトップクラウン
トップクラウンは直線、サイドクラウンは外向きのカーブなので、
サイドクラウン側が余るような錯覚を起こします。
まず前と後、そして中央部分を待ち針で留めますが、前側と後ろ側の
サイドクラウンの余り具合が同じくらいになるようにしておきます。
前、後を、それぞれ三等分し、二ヶ所ずつ待ち針で留めますが、
それぞれ待ち針の間の余り具合が同じくらいにします。